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製造業者がこうした一連の行為によって、自己の商品を最終需要者に到達させるまでの過程(流通経路)をひとつのシステムとして構築しようとすることを流通系列化と呼ぶことができる」、また「流通系列化は多くの場合、製造段階における寡占体制の維持、強化のための手段となっており、また製造業者と販売業者との間の支配・従属関係を前提としているとも言える」という見解を示している。
このように、系列化は、独占禁止法の理念である「公正かつ自由な競争」を制限し、「私的独占」「不当な取引制限」「不公正な取引方法」などの禁止対象行為を生じやすい“疑義”が示された。

これに対し産業界は、「業界の実態を掌握しないまま結論を出し、流通系列化即悪という偏見を抱いている」と反論した上で、「流通部門にはそれぞれ固有の目的を持つ多くの政策が投入されており、競争政策の点からのみみるのは妥当ではない」「流通形態や流通活動は第一義的には商品特性、産業特性、市場特性によって規定されるべきで、そのような実態を捨象して流通の姿を一般的に想定して法の運用を考えるのは危険」という見解を示した(『公正取引研究フォーラム』昭和56年)。 法の理念、論理面と運用面における公正取引委員会並びに産業界の見解の相違は、いまだに克服されてはいないのが実情である。
「返品」「返品制度」は、わが国固有の慣行であると言える。
日米構造協議の場において参入抑制になっていると指摘される以前から、「流通コストが割高になる」「事業者の経営姿勢を安易にする」「取引条件を不透明なものにする」などが指摘されている。

「禁止あるいは規制すべきである」と消費者、あるいは経済学者などから主張されてきた。 これに対し、産業界からは、「返品を認めないと安売りされ、商品イメージが低下する」「新製品を小売店が置いてくれない」などが主張され、消費者側の主張と供給側の主張とは、いまだ議論がすれ違ったままの状態である。
返品制度それ自体は、独占禁止法上の規制対象となっていない。 だが、公正取引委員会の『不当な返品に関する独占禁止法上の考え方』(昭和62年)での見解は、次のようになっている。
「我が国においては、消費財について、新規商品の開発が頻繁に行われているばかりではなく、大部分が見込み生産によっており、さらに流通分野においても、活発な販売競争が展開されている。

このような状況の下で、我が国における返品の慣行は長期継続取引の中で他の取引条件と密接に関連しながら行われてきている」、また「返品の慣行は、新規商品の参入を促進する効果を有する、あるいは、地域的な需給を即応させる利点を有している一方、流通コストが割高となる、返品をする事業者の経営姿勢を安易にする、あるいは返品を受ける事業者に不当に不利益を与える等の問題点を有している」と経済的なメリット、デメリットを指摘したうえで、「返品の慣行それ自体は、独占禁止法の規制対象とされるものではない。

取引上の地位に優劣がある事業者間の取引において、取引上の地位が優越している事業者がその地位を利用して、購入した商品を不当に返品することにより相手方に不利益を与えることとなる場合には、このような返品は、優越した地位の濫用行為として独占禁止法の規制の対象とされる」と、優越的な地位を利用して相手方に不利益を与えた場合は規制の対象となるという見解を示している。

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